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インターネット会議に向けて

日本磁気歯科学会会長  田中貴信  

日本磁気歯科学会も1991年の暮れの発足以来、間もなく丸7年が経とうとしておりますが、周囲の大学会に比べれば、未だ専門学会としての歴史も会員数も不十分な弱小学会であります。しかし、「磁気の歯科臨床への応用」という斬新なテーマに向かって、関係者は地味な実績作りに精いっぱいの努力を続けております。

本学会の特色の一つは、その規模が小さいにも拘わらず、会員は歯科臨床医のみならず、多くの基礎部門や多数の工学部の専門家までも擁した、いわゆる学際的な雰囲気に満ちていることであります。バックグラウンドの全く異なる会員達が一つのテーマに向けて知恵を出し合うことは、歯科医学分野ではほとんど例の無いことかと思います。現時点では、学会誌の発行も学術大会も年一回ではありますが、先般の学術大会におきましては、東南アジア各国から沢山の参加者を得て、国際シンポジウムを成功裏に開催することが出来ました。これは最近海外でも磁性アタッチメントへの認識が急速に高まり、多くの臨床家が多大な興味を示しているからに他なりません。この分野で一歩先んじている本学会が、今後も指導的役割を担ってゆくことは当然の経緯と言えます。

しかし、大きな財政基盤を有する学会とは異なり、我々がこのような国際交流の場を恒常的に準備することには、現時点では無理があります。そこで、この度インターネットを利用した学術情報交換を試行することとなりました。日本磁気歯科学会ではいち早くホームページを開設し、関係者に学会活動の詳細をリアルタイムで伝えて参りましたが、今回はそれをより充実し、このホームページ上で会員同士が直接学術交流を行おうとするものであります。幸いにも、人材豊富な当学会の特質を発揮して、この分野に造詣の深い芥川正武先生を中心とするインターネット会議実行委員会を組織するとともに、奥野 攻教授を委員長とする学術検討委員会の強力なバックアップも得て、僅か一年の準備期間の後に今般めでたく実現の運びとなりました。このようなことは未だ一般化されておりませんので、技術的、あるいは制度上の問題点が全て解決されたわけではなく、今後もしばらくは試行錯誤を続けてゆくことになろうかと思います。今回先ずは国内で試み、その結果を踏まえて、可及的に早期に、海外に向けての発信も行いたいと考えております。

このインターネット会議のスタートに当り、関係者のご努力に心より敬意を払うと同時に、会員諸氏の積極的なご参加を願うものであります。

平成10年9月21日

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